よろけた拍子に立ち上がれ! 理想像なき時代の生の親父の生き方とは?


言わずと知れた「崖の上のポニョ」の大ヒットで知られる藤岡藤巻が出していたデビュー曲と同名の本
「よろけた拍子に立ち上がれ!」を紹介します。
サブタイトルが
「島耕作になりそこなったオヤジのための人生論」
で文字通り、古今、フィクション実在問わず、かってあったはずの理想のオヤジ像を否定して、真実のオヤジのありようを見出すというまあ、身も蓋もない内容と言えば、そうなんですけど、私としては結構ためになりました。
 やり玉に上げられるのは、島耕作始め、寺内貫太郎や高倉健やら五木寛之やら渡辺淳一、池波正太郎、からちょい悪オヤジまで。
 つまり、こんなオヤジになりたいという理想をことごとく。
「無理! 凡人にはなれっこないです」
とあきらめましょうということです。
 いるだけでうざがられることを自覚して、空気のように生きることを強く奨めています。そして、幸せ52対不幸48で幸せを勝ち越そうと
言います。
しあわせになるための行動をワンポイント増やす。
 増やす行動はなんでもいいそうです。
 ただし欲張って2ポイントに増やしてもだめで、無理して長続きしなくてもだめ。ミョウな欲を出しすぎてもバランスが崩れるからダメ。
「とりあえず、目の前にできることで、ワンポイントアップする
 絶対やらなきゃいけないことじゃないけど、絶対やめない」
 藤岡藤巻にとってはバンド活動だったそうです。
私にとってはこのブログかも知れませんね。
 この本の出版から約10年。すでに私からしてみれば、藤岡藤巻自体がやり玉にあげられていた理想のオヤジ像の1つです。藤岡藤巻世代は今ではもう定年になっているはず。定年まで同じ会社にいられて、上の方にはいけなかったけど、とりあえず給料をもらって安定しているという
「逃げ切り」世代なのです
 私は逃げ遅れて波に呑まれて現在アップアップしている最中。バンド活動? 夢のまた夢ですね。

 オヤジの危機脱出法 ヒット&エクスキューズ。

何かチャレンジする時は、失敗する時のリスクを考えて、大勝負せずに、小勝負で、ゴールを低めに設定する。目標をクリアすることを考えずにその少し足りないくらいの位置を、ゴールと決める。期待に応えようとせず、最初からから当初のゴールの達成は無理なんだと自覚して、低めの目標を目安にする。そして常に言い訳を用意しておく。常に努力と成果を計算してリーズナブルな方へ調整する。
 間違っても、つまらないプライドで自分に期待して頑張ったり、無意味な夢を見ない。そんな状態になったら、無謀な夢を見て失敗をしてきた自分を思い出す。
 失敗した時の準備を始めておく。「俺はそんなに期待できないぞ」感を常に漂わせておくように。

 冗談なような内容なんですけど、実は私、独立前独立後何度もこの章を読み返しています。なんとも含蓄のある理論なんですよ。老荘思想や菜根譚を現代版にして、しかも実践的な知恵も授けてくれてる気がします。
 私にしてみれば、今のところ独立したこと自体が、無謀な夢だったのかもしれないのですが、低い目標と失敗の時のエクスキューズの大切さは身に染みて分かります。この言葉に出会っていなかったら、理想の目標を目指して、無理してアップアップしていたかもしれません。
 実体験を通した深い知恵があるのです。ゆるいようでいながら、ものすごく冷徹に現実をみつめているのです。意外と侮れない本ですよ。
 でも、ヒット&エクスキューズと銘打ちながら、ヒットの部分の秘訣が書かれてない! ああ、ここは模索していくしかないのかなあ。
 この本「崖の上のポニョ」が大ヒットした後に出版されたんですけど、この大ヒットで調子に乗らずに元に戻ります。と宣言しています。さすが人生の達人。その後もマイペースで音楽活動を続けていらっしゃるようです。うらやましい。
 私にとって、「裏人生マニュアル」みたいな本です。不思議なことに最初読んだときは、まだオヤジに一歩手前だったので、笑う半面軽蔑「なにしょぼくれてんだ」という気持があったんです。それが年月を経て読み直すたたびに、つまりだんだんと当時の藤岡藤巻のお二人の年齢に近づくたびに、腹落ちできるようになってきました。喜んでいいのか悲しんでいいのか。
タイトル「よろけたひょうしに立ち上がれ」っていう言葉が、最初読んだ時には、「かっこわるくて情けないけど笑える」という印象だったのが、今では「年をとってダメになりかかった時こそ、ちょっとしたことでいいからチャレンジしてみな」って言う、応援メッセージだと感じました。これも年を重ねたおかげですかね。
 勝手に「老子」や「論語」に匹敵するような名著だと思っています。私だけか?




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