池波正太郎時代劇光と影「運の矢」

 池波正太郎は敬愛する作家の一人です。
 主演の片岡愛之助さんが、臆病者の武家の跡取り・天野源助を好演しています。愛之助さんと言えば、真田丸で石田三成の名優大谷刑部を演じて、でも関ヶ原が超高速で終わってしまって残念でした。なので、イメージとしては真逆。ミスキャスト? いやいや、さすが歌舞伎役者、どんな役でもこなしてしまいます。でも、臆病者ぶりが真に迫って――心からなりきっているのが伝わります。
 この短編。なぜか好きで。折あると、短く読みやすくもあるので、
何度も読み返します。
が、あれ、後半から展開がおかしい。
ん? これと似たような小説があるのだろうか――
 僧から予言される部分も知らないし、百姓おすえも出てこなかったはずだが……
 たまたま、うちに原作があったので、読み返してみると、最初の妻に急死されて、父の仇討ちに、もうどうせ死ぬのだからと、殺される覚悟で仇に向かっていって勝つ。仇を討った功績で縁談が持ち込まれ、生きようと思ったとたんに馬に蹴られて死ぬという結末でした。
 死ぬつもりでやったら生き。生きるつもりになったら死ぬ。なんとも皮肉ですが、池波先生らしい人生観です。
 ドラマの場合、運命の矢は女性。人生の数々のピンチを女性との出会いで助けられる。はたして本当の運命の女は――
 同じストーリーでも、味付けで味わいが変わって来るもんですね。
 でも、ドラマの方もおもしろかったです。
 私の人生では、運の矢はないみたい。幸運をもたらす女もいなけりゃ、不運をもたらす女もないみたいです。
 味気ないけど、平穏が一番。
 ま、いっか。




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