第百五十八回芥川賞受賞作 「おらおらでひとりいぐも」を読んで人生百年をまた考えた。

ま、いっかけん  ま、いっかけんです。

芥川賞ちょっと苦手でした。

読まず嫌いでしょうけど、

結構小難しい内容のものが多かったりして。

お笑い芸人の又吉直樹さんの「火花」が受賞してから、

ちょくちょくチェックしてました。

が、直木賞の作品と比べてやっぱり地味なんです。

純文学で文学性第一で、娯楽性は乏しいですからね。

でも若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」は読みやすかった。

その上におもしろかった。

本も刊行されていますが、今なら「月刊文藝春秋 三月特大号」

に同時受賞した「百年泥」と一緒に全文掲載。随分とお得です。

私もそっちの方で読んじゃいました。

Kindleでは「おらおらでひとりいぐも」の小冊子が読めます。

あらすじとキャラクターが紹介されてます。

この本を読んだら、さらに読みやすくなること間違いなしです。

ちなみに無料です。

 

登場人物はただ一人。桃子さん75歳。

 

若くして夫に先立たれ、子供二人も独立して家庭を築き、一軒家に一人暮らし。

話し相手もいない生活。

音もない寂しい静かな生活。でも内面は実に騒々しかった。

桃子さんの中に生まれてから、現在までの自分、

そこで出会った様々な人格が、おしゃべりをして止めどない。

一人人ごとのつぶやきが重層的につぎつぎとあらわれては消え、

タペストリーのように紡ぎ出されていきます。

普通に書くと、分裂的なわけのわからなくなる内面の独白が不思議と楽にすっと読めます。

柔らかな東北弁の効果が最大限に生かされてますね。

年齢こそ違え桃子さんは作者若竹千佐子さんの分身。

しばしば愛する者の死は、文学者の文才を開花させる力をもっているようで――

旦那さんの死後、小説講座に通うようになって、

若い頃からの念願だった小説家の夢が63歳にして叶う。

夫との突然の別れを何年たっても受け入れられないながら、

心のどこかで夫の死を喜んでいる自分を発見する。

人は同じ出来事の中でも喜びや哀しみなど様々な感情を重層的に持つ。

それは年齢や経験を重ねれば重ねるほど、積み重なり厚みをましていく。

年齢と経験を重ねないと書けなかった作品だと感じました。

歳月の中で味わった挫折や苦しみは無駄じゃなかった。

私はまだまだ道半ばなので、そんな心境になれたらいいなあと憧れます。

玄冬小説とは?

 

「おらおらで――」「玄冬小説」と呼ばれ、

のぼっていく一方の青春とは真逆にだんだんと下り坂を降りていく人生の冬支度を描いた物語です。

調度、五木寛之先生が提唱した家族と暮らす「家住期」を経て、

一人隠居所で過ごす「林住期」を描いています。

その頃には、もう既に、怖いものなし、失うものはなにもない

「矢でも鉄砲でも持ってこい」

という心境なのでしょうが……

人生には時にどうあがいてもどうにもならないことがある。
人生とは本来苦しいものなんだ。
その事実を受け入れて、乗り超えてからが本当の人生が始まるのだ。
この作品からそんなメッセージを受け取りました。

作者若竹千佐子さんはデビュー作が芥川賞しかも現在50万部を突破。

第2の人生で大変身してしまった感です。

皮肉にも林住期を描いた物語で、

「ライフシフト」で提唱していた100歳人生を生きる必須要素「変身資産」を活用して、作家としての人

生を獲得しました。

当分、「林住期」とはいかないようです。

 

残念! 遅咲きの栄冠は誰にも来るわけじゃない

 

では、努力してたらみんな若竹さんのようにライフシフトできるのか?残念ながらノーでしょう。

小説講座に通える人はもしものにならなくても、ひとときでも夢中になれるものがあるだけ幸せ。人生を充

実させることができます。

でも、これからの多くの人はいい年齢になっても働き続けないといけません。

qい

ずれにしても林住期にはほど遠い。生き抜くために仕事をしないといけない。

ライフシフトでもなく、林住期でもない「常在戦場」の人生?

かっこうよく言うと、生涯現役の人生?

私たちの時代は道なき道を模索して生きなければならないと感じています。

 

 

 




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