
恐怖の殺人人形!
ギドロンがいよいよ人類に最後の攻撃を仕掛けてきますよ。
あの怖い殺人虫「人虫」を中にいっぱいに仕込んだ人間そっくり
に化けることができる人形を送り込むんですね。
恐ろしい計画を知ったオサムは父親の美土路博士に連絡するんですが時すでに遅し、
ギドロンの結果は実行をされていって、
オサムそっくりの人虫人形がオサムのベッドで寝ているんです。
こわい、こわい、こわい。
ヒッチコックの「鳥」を皮切りに動物が人間を襲う動物パニックホラーがたくさん作られました。
虫が大群で人間に襲いかかる様は怖気が立ちますよ。
地球にとって人間とは?
そして、さらに怖いのは虫じゃないんです。
人間なんです。
自分だけ、自分の家族・仲間だけが生き残ればいいという人間のエゴが剥き出しになって、
醜い争いが行われるんですね。
ギドロンも虫の一種として、人間の地球にしてきた行為を見かねて人類を滅ぼそうと決めたんですね。
人間のする愚かな行為に、いつも手塚先生の視線は厳しいですね。
ワンダー3や魔神ガロンに登場した宇宙人も地球いや宇宙に害をなす生物として
人類を滅ぼそうとします。
人類を守ろうとする「ウルトラマン」とは180度違う立場なんですね。
ペンネームに虫という名前をつけるだけあって虫に対する思い入れは並々ならぬものがあります。
宝塚の手塚治虫記念館に保存されている昆虫のスケッチの緻密さはとても少年時代のものとは思えませんよ。
まだごらんになってない方は是非いらしてじっくりごらんになってください。
ヒーローアニメなのにホラー?
さて「ミクロイドS」アニメの企画からスタートした作品ですが、
以前紹介した「サンダーマスク」と同様、特撮・アニメに関わらず
ヒーローもののはずなのに、なぜかホラー色が強いんですね。
当時の趣味がホーラー怪奇に向いていたのかも知れません。
執筆当時手塚プロの経営が悪化していたこともあるかもしれません。そのホラー趣味の中にも、男女の愛憎が描かれているんですね。
今回もヤンマの兄ジガーとアゲハの悲恋が物語の重要な鍵になっていきますよ。
新しいスターが誕生!
そして、今回は始めてオサムの担任の教師として「ノラキュラ」が登場します。
容貌がドラキュラそっくりの男ですよ。
「ミクロイドS」でデビューして、「三つ目がとおる」で大活躍するんですよ。
ういういしいノラキュラの演技も見逃さないでくださいね。
それではまた次回お会いしましょう。
