
◎目次
なぜ寅さんは成就しそうな恋に身を引いてしまうのか?
「男はつらいよ」の車寅次郎は前半はかなり勘違いして相手が自分を好きであると思いこんでたけど、実は婚約者が……なんて間抜けなケースがありましたが、後半になると相手もかなりその気なのに自ら身を引くケースが目立ちます。
それはなぜか長年気になっていたのですが、この頃フットひらめきまして、それで腑に落ちたわけです。
それは?
寅さんはそもそもこの世の存在ではなかった。
つまりゴーストだったのではないか?
と勝手に私が作った説なんですけど……
阿呆か! と思わないで最後までお読みいただけると、ありがたいです。
そう思う理由を今から述べます。
理由その1ドラマで既に死んでいます
もともと「男はつらいよ」はフジテレビ製作のテレビドラマでした。
で、最終回で寅さんはハブに噛まれて死んでいるんですね。
ドラマでは桜は長山藍子さんですが、ラストシーンで死んだはずの兄・寅さんの幻を観ています。
つまり、その時既に寅さんは死んでいたんですけど、幻として姿を桜の前に現しています。
ので、映画の寅さんはすべてゴーストなのです。
ゴースト故に恋愛が成就するわけもなく……ヒロインが幸せになると、身を引くサダメなのです。
理由その2盆と正月にしか帰ってこない
寅さんが生まれ故郷の葛飾柴又に帰って来るのは、お盆が正月のみです。
後には正月の1回きりになりますが……
盆と正月と言えば、ご先祖さまのお仏壇にお供えをする季節。
つまり、既に寅さんはゴーストなのでその時だけ、里帰りできるというワケ。
ほら、だんだんそんな気になって来たでしょう。
理由その3どうやって生活しているのか不明
ドラマの最後では葛飾柴又の商店街は全部地上げされて、でっかいマンションが建ったことになっています。
その後、「男はつらいよ」が映画化され、観光地となった柴又はその景観が残されていくことになるのですが、寅さんのテキヤ業はその当時から失われていく職業でした。
縁日には出現する仕事で、今でもありますが、1年中仕事はあるようにはないので、普段は違う仕事をして縁日がある時に出張しているのが実際だと思います。
しかも寅さんが売っているのはちょっと出どころが怪しい本や辞書です。
とても需要があるとは思えません。
全国津々浦々回っているようですが、それで生活していけるのでしょうか?
食べなくても大丈夫な存在。
仙人や超能力者などの人智を超えた超越的存在かやはりゴーストであるのが有力です。
理由その4ほとんど欲がない…
寅さんはシリーズ終盤になればなるほど、男性の道楽という飲む打つ買うに無縁になっていきます。
普通テキ屋業と言えばその習慣に染まっているというイメージがありますが、寅さんに限っては極めて聖人に近いですな。
理由その5御前様とつながっている

映画第1作では寅さんは、柴又の祭りの日にふらりと、20年ぶりに生まれ故郷に帰って来ます。
その時に御前様こと笠智衆さん演じるお寺の住職と顔を合わすのです。
それがシリーズのトップシーンです。
寅さんが柴又に帰ってきたのは魂で、僧侶の御前様がいち早く寅さんの魂の帰還を察します。
寅さんは旅先で命を落としていて、魂だけが柴又に帰ってきたのです。
最新作では、今まで毎回違い役を演じていた笹野高史さんが2代目御前様で登場。
やっぱり、寅さんが帰還するときには御前様が不可欠なのです。
妄想が過ぎるかなあ。
理由その6寅さん復活しかし…全然変わっていない
https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/news/1284/2019年、「男はつらいよ」の新作が上映されます。
しかし寅さんが今生きているとしたら、山田洋次監督と同じ世代なので、高齢には間違いありません。
が、ポスターを見た限りでは姿は当時のまま(当たり前だけど)
となると、やはり寅さんは最初からゴーストだったと思うほうが自然です。
結論
寅さんはゴーストです。おそらく最初から。絶対、きっと、多分、でもね……