ジャングル大帝
数々のアニメのシナリオ手がけたアニメ界の重鎮です。
数々のアニメの創作秘話の玉手箱です。
とくに、アニメ「ジャングル大帝」の秘話が珠玉です。
原作漫画「ジャングル大帝」を見れば分かるのですが、主人公レオのお父さんパンジャのエピソードがかなりあります。1巻のかなりの部分を締めてます。親子二代の大河ドラマなんですね。
が、ここはややこしいからほぼかっと一話でレオ出生の秘密を描く――という無理な注文。
そこで、辻真先さんが思い立ったのは――
名匠・黒澤明が「生きる」で、使った方法。
前半まで主人公の行動を描いていたのに、後半でいきなり主人公の葬式から始まるという誰も思いつかない意外な展開。
ジャングル大帝第一話もそれを参考にして……。
前半はライオンキング・パンジャとハンターハムエッグとの戦い。
後半はいきなり、レオが誕生し、父パンジャの死は母イライザの回想で処理。
なんというぶったぎり。見事です。
それでも黒澤映画がヒントとは気がつかなかった。
思い返してみると、今当ブログ「手塚学のススメ」をやっていて気がつくのは、アニメと原作の内容と全然違うのってありがちです。
ほぼアニメと原作が同時進行で連載・放送されていて、原作のストックがあっても、あっという間にアニメの話しが追い越してしまう。
アニメ一話分の内容が週刊漫画の一ヶ月分。
辻真先さんのような専門の脚本家が必要だったわけ。
だから、私たちが見ていたアニメの半分は、キャラクターは辻さんら脚本家の作品ですね。
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