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◎目次
作家の創作秘話が分かる講演集
「笹沢左保 縁は異なもの」
木枯し紋次郎の作者が晩年移り住んだのは、木枯し紋次郎の故郷と同じ名前の三日月町(以前は村)だった。東京生まれの作者が心の原風景と偶然重なった土地が代表作の主人公の架空の地名と同じとはまさしく「縁は異なもの」
「人間には生まれる前から宿命が決まっている」
作者独特の人生観は、
極貧の中、酒乱で暴れる父親を軍刀で突き殺そうとした。新婚の人妻と心中未遂をした。自動車事故にあい、九死に一生の中で奇跡的に回復し、その間に小説を書いて作家デビューを果たす。
紋次郎の虚無的なたたずまいは、全て著者の壮絶な半生が反映しているのだと納得。しかしニヒルな風貌でいながら気さくな人柄なののも紋次郎と似ています。
「あっしには関わりのねえことで……」と突き放しながらも、ついつい関わってしまうのが玉に瑕。
「人間的魅力について」城山三郎
経済実録小説が多かった城山三郎さんが取材する中で出会った魅力あふれる人物3人。
真珠王・御木本幸吉。
永井龍男著「幸吉 八方ころがし」八方ころがしとは真珠の珠のように何処も丸く、倒れても転ばないたくましさを表した言葉だとか。
天然しかなかった真珠に、初めて養殖で作る方法を編み出しました。昔の日本にはゼロから新し事業を開発する挑戦者が何人もいたんですね!
第27代総理大臣 濱口雄幸
ライオン宰相と呼ばれた風貌ながら政治信念を貫いた人。根回しをするのが当たり前の世界で、根回しを拒否しいつも正面突破。しかし、その頑なさが災いし、凶弾に倒れることに――
自分の命を捨てて、日本のために最後まで尽くした。
うーん、現代の政治家に見習ってもらいたい信念の人。
「松本清張 菊池寛の文学」
「もし時代があっていたら必ず菊池寛の弟子になっていた」という松本清張さん。俗世間を直に見てきた苦労人。恵まれぬ容姿のコンプレックスと負けん気。
先輩作家菊池寛を語りながら、自らの文学的な核心を語っているような気がする。
「作家ってのはね。女にもてちゃダメなんだよ。(きっぱり)」でも持ててる作家さんもたくさんいるけどな。
人パックンの会話術「ツカむ!話術」
誰とでもすぐに会話ができてしまいそうな欧米人。ですが、ねっから社交的な性格だからばかりじゃありません。
幼い頃から、自分の考えを主張する、議論するなど、会話の訓練を日常から受ける土壌があるから。同一民族で空気を読む日本人と、様々な人種があり価値観がある言葉で表現しないと伝わらない欧米人との文化の違いですね。
人を説得する3本柱 エトス パトス ロゴス
アリストテレスが定義した言葉で
エトスは信頼性 何を説くかではなくて、誰が説くかが重要。話す本人の人格・見た目・地位・権威や外部情報で話す内容の説得力が決まります。
パトスは情熱(共感性)話す人の情熱がこもっていなければ、相手には伝わらない。
ロゴスは論理力 話に筋が通っていないと、いくら信頼・共感があっても納得しない。
こう見ると、3つのどれが欠けても最終的に納得できる言葉にならないのがよく分かります。
東京工業大学の講義の内容を本にまとめただけあって、マジメです。普遍的です。でも、パックンらしいユーモアも各所に散りばめられていて面白くてためになります。
「本当かな、本当にそうなれたらいいな」と思って何度も繰り返し聴いています。
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