手塚 治虫 秋田書店 1992-12-01
さあ、みなさん「手塚学のススメ」はじまりました。

解説のケボ川ですよ。今回もみなさんとたのしんでまいりましょうね
今回は「ビッグX」第2巻です。
今回はメインキャストのおさらいしてみましょうね。
イラストは私ケボ川が描かせていただきました。手塚先生にそっくりなんで間違えないでくださいね。
一人目はもちろん主人公の朝雲昭です。第二世界大戦中にナチスドイツに呼ばれて命令されて、おじいさんにまことに不思議な薬「ビッグX」を開発するんですね。そのビッグXの製法を受け継いだ昭。自分の身体に注射して、巨人「ビックX」に変身します。

でも、この薬、どんな生き物にでも効くんです。だから、悪い奴がつぎからつぎへ現れて昭の薬を奪いに来るんですね。昭も薬を奪われると変身できない。ここでピンチ、ピンチ、ピンチ。はたして昭、どうやってピンチを脱出するのか。ここが毎回の見所なんですね。
続いて、敵役。ハンス・エンゲルスです。

はい、このハンス。昭のおじいさんとビッグXと共同開発した博士の孫なんですね。だから、ビッグXは本来自分のものだと思ってるんですね。だから、どこまで昭とビッグXを執念深く追いかけてくるんです。
昭がビッグXになったら、ハンスはいつもかなわないんです。でも昭ハンスをついつい助けてしまうんです。なんでか?ハンスも昭と同じようにビッグXを受け継いでる。同じ境遇なんですね。だから、悪い奴やなあと思ってもどうしても憎く思えないだから許してしまうんです。
まあ、なんかこの関係。同じ時期に大ヒットしていた東宝の若大将シリーズ。若大将と青大将の関係に似てますね。はいちょっと見せてください。
ライバルなんだけど、憎みきれないいうところが面白いな。
ハイ、ちょっと脱線しました。
最後はヒロイン。ニーナ・ベルトン。

まあ、可憐な美少女。幼い頃から、悪の組織に牢獄に閉じ込められて、牢の外から鳥に話しかけてくうちに、テレパシーが身についたんです。
牢獄から脱出して、昭と逃避行するんです。このキャラクター誰かに似てるんです。
ハイ、これ「未来少年コナン」のヒロイン・ラナです。彼女も不幸な生い立ち。鳥と話しもできました。
ビッグXはコナンより二十年も前の作品です。
このニーナ、ビッグX昭を助けて大活躍。何度もニーナの機転と超能力で助けられます。名コンビですね。
では、第2巻、昭とニーナの活躍、じっくりご覧なさい。

それではまたお会いしましょう。さいなら、さいなら、さいなら
手塚 治虫 秋田書店 1992-12-01