「商人王にワイはなったるわい!」商人への道を歩む和製RPG「どてらい男」

ま、いっかけん
「どてらい男」は長年、ソフト化もされず、再放送もされなかったので、小説版しか読むことの出来ない(しかも古本)幻のドラマでした。アマゾンprimeの京都チャンネルで視聴することができるようになりました。うれしいね

ドラマ「どてらい男」とは?

ドラマ「どてらい男」は1973年から関西テレビで制作された連続ドラマです。

毎週、実に3年半の長きにわたって放送されました。一代記でこんなに長く続いたドラマは異例ではないでしょうか?

かつて、長期に渡って放送されたドラマはほとんどが一話完結の物語でした。

人気歌手だった主演の西郷輝彦さんはこのドラマをきっかけに俳優としても活躍するようになりました。

原作・脚本花登筺とは?

花登筺さんは、大阪発信の数々の舞台・ドラマの脚本・演出で活躍されました。

ドラマでは「細うで繁盛記」「あかんたれ」「ぬかるみの女」などほとんどが商売をテーマにして、根性モノと呼ばれました。

亡くなってからはほとんどその作品は顧みられることはありませんが、朝ドラの一代記ものや、日曜劇場の池井戸潤原作作品など、ドラマのジャンルを確立したパイオニアでした。
その作品は今でも新しくて、そんじょそこらのドラマがぶっとんでしまう位、骨太で見応え充分です。

原作とドラマとの決定的違い

丁稚修行に出る前田商店の店主が原作では、福井県から来て商店を立ち上げた立志伝中の創業者ですが、ドラマでは創業者亡き後に、二代目になった元銀行員の弟に変更されています。
この前田店主と番頭の竹田は実に了見の狭い人間。
徹底的に主人公山下猛造通称もーやんを徹底的にいじめ抜きます。
もーやんも黙っていなくて、真正面から反抗的態度をとります。
この態度に腹を立てて、さらに攻撃がエスカレート!
何度打たれても、もーやんは徹底的にやられたらやりかえすという姿勢を貫きます。
これが後の「半沢直樹」の【やられたら倍返し】に大きな影響を与えています。
多くの筺作品の主人公はいじめられながらも、縦社会の旧式ルールを崩しません。
目上の人には絶対服従ででどんな理不尽があっても仕返ししたりしません。「あかんたれ」「細腕繁盛記」でも悪い主人に卑屈なくらいに尽くします。
「どてらい男」の中ではもーやんの同僚・田村亮さんの尾高の方が花登ドラマの主人公のキャラに近いです。
ところが「どてらい男」のもーやんは筺ドラマの中でも異色のはみだしキャラクターだったのです。

前半の助演男優賞・立売堀の将軍大石の老人

いじわるなキャラクターばかりだと、いくらもーやんでも身が持ちません。
前田店主の姪にあたる由美かおるさんのお嬢さんや、幼なじみの引き渡し係の尾高などもーやんを助ける人もいます。

とりわけ笑福亭松鶴師匠扮する立売堀の将軍さんはもーやんの商売の師匠になります。
「スターウォーズ」で言えばオビワンやヨーダのようなマスターです。常にもーやんが迷った時に示唆を与えます。
もーやんが軍隊に入る直前に亡くなるのですが、それはもーやんが既に一人立ちできるようになったからでしょう。
花登さんの描く商人の理想の姿は、それこそ時代劇の侍のようにちょっと本来の商人より、一段上の高次元の存在のように描かれます。
それこそスターウォーズのジェダイが時代劇のジダイが由来のような感じ(諸説あり)です。
商人道です。
人の道に外れないのは、もちろんのこと。
起こっている現実の現象に、仮説検証をして、どう改善していけばいいかを実行をする。
よく「起こったことは全て正しい」 と言いますが、善悪の是非を超えて、現実の結果をまるごとを受け止めて、現実をいいものに変えていく姿勢。
それが商人道なんでしょうか?
ドラマを通して、絵空事でなく現実に人間がどうすればよりよく生きているかを教えてくれます。
将軍様を演じたのは伝説の落語家。笑福亭松鶴師匠。あの鶴瓶さんや仁鶴さんの師匠です。
貫禄もばっちりで、もーやんを諭す例え話が説得力抜群でした。

軍隊篇の助演男優賞・森次晃嗣インテリ。モロボシダンだけじゃないよはまり役。

招集令状が来て軍に入隊すると、様々な個性溢れる俳優が参加。鬼軍曹に・藤岡重慶さん。やわらかい軍曹に高品格さん。元こそ泥になべおさみさん。そしてなべさんの師匠のハナ肇さんが小隊長。

このメンツを見ただけでも、当時のドラマは個性が粒だっていたのが分かります。高視聴率のドラマだったので、名だたる俳優さんがゲストで登場しています。

森次晃嗣さんが演じたのは京大出身のインテリ。研究ばかりで、世間知らずでいわゆるKYの部分があり、思ったことはなんでも口にしてしまう正直すぎる人。

その個性が時には上官に睨まれるところを、もーやんに度々救われて、やがて絆が生まれます。生きた実践の学問【商人道】を身につけたもーやんは【商人道】のメソッドを厳しい軍隊生活を生き残るためのツールとしてフル活用して行きます。

ところが机上だけの学問を身につけたインテリは軍隊では通用せず行き詰まります。

最終的には沖縄戦線で悲劇的結末を迎えてしまいます。純粋すぎるが故の悲劇。
セブン以外の森次さんの熱演が見られてラッキーでした。

ま、いっかけん
残念ながらこれ軍隊篇以降のビデオは未だに発見されておりません。しかしながら残っているビデオだけで今の短いスパンのドラマより数倍のボリューム。大満足です

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