ゲド戦記作者の勇気の出る言葉

ま、いっかけん
創作の秘密研究家のま、いっかけんです。この年になっても作家になる夢があきらめきれず、ちょこちょこ小説を書き続けています。有名な作家さんの創作の秘密と聞けば、手当たり次第に読み漁って来ました。創作の秘密に知識に関しては誰にも負けません。実践に活かせよ!と言う話ですが……

アーシュラ・K・ル=グウィンは2018年に亡くなったSF・ファンタジーの大御所でした。
ジブリでアニメ化された「ゲド戦記」の原作者として有名です。
このブログでもうつとゲド戦記Ⅰ影との戦いについて書いています。

ル=グウィンは創作論や文章論も多く残しています。
その創作姿勢は人生の生き方も教えてくれる勇気ある言葉に溢れていました。

創作にも人生にもルールなんてない!!

大作家のル=グウィンには

「どうすれば小説が書けますか?」

「いい文章を書くには何を知ればいいのですか?」

という質問がたくさん寄せられたそうです。

ル=グィンはこう答えます。

第1ステップ

  1. タイピングを練習しなさい(多分、当時はタイプライター)
  2. 国語辞書・慣用句辞書を買いなさい(この場合英語の辞書です)
    まず手書きで書くと字が下手だと読んでもらえないから、活字で提出した方がいいということでしょうね。
    文章の基本はだいたい国語辞書に載っているということです。

第2ステップ

書け。とにかく書け。

へ? これだけ? という実にあっさりとしたものです。
カルチャー教室の文章講座だったら、「金返せ!」レベルですが、

ル=グィンは冗談でなく本気で言っているんですね。
「迷わず書けよ、書けば分かるさ」
アントニオ猪木じゃないですが、演奏や踊りなど、メッソドが確立されている世界には、絶対こうでなければならないという決まりごとがありますが、こと文章、創作にルールなんてないと言うのです。
「ジェーン・エア」「嵐が丘」エミリー・シャーロットのブロンテ姉妹は狭い世界の少ない人生経験から文学史に残る傑作を生み出しています。

彼女たちが知っていたのは自分たちの魂、自分たちの精神と感情でした。そして、それは、一朝一夕に知ることができるものではありません。七、八歳のころから彼女たちは書き、考え、自分自身の姿を見きわめ、それを描く術を習得してきたのです。

ル=グウィン著「夜の言葉・「書くということ」」より

ル=グウィンは自分自身の体験しないことを描くのに必要なものが想像力だと言います。

想像力こそが、魂を耕す鋤なのです。彼女たちは内面から、それも技量と勇気と知力のすべてをふりしぼってはじめて到達できる内面の奥底から書いたのです。小説が生まれてくるのはまさにここからなのです。小説家は内面から書くのです。生涯のほとんどを通じて小説家の外側に起きることというのは、実は重要ではありません。

ル=グウィン著「夜の言葉・「書くということ」」より

小説家が表現するのは事実でなく、内面の真実。
その内面の真実を語るには、ただひたすら書くしかないと言います。
そして、既存の創作技法の本に書いてあるルールは全く意味がないと断言します。

決まりが必要だと思い、決まりが欲しいと思う。気に入った、あるいは自分の役に立つ決まりが見つかったなら、そのときはその決まりに従えば良いのです。それを活用すれば良いのです。
しかし、もしその決まりが気に入らない、あるいは役に立たなかったら、その決まりを無視することです。
お望みとあれば、そしてできるのならば、そんな決まりはひじ鉄を食らわせてやりなさい。
そんな決まりは破るんです。折りたたみ、ホッチキスで留め、切り刻み、ばらばらにしてしまうんです。

ル=グウィン著「夜の言葉・「書くということ」」より

おお、何という痛烈で痛快な言葉なんでしょう。
役に立たない決まりだったら無視すればいい、壊せばいい。
この言葉は、創作だけでなく生きることにもつながるなと思いました。
創作だけでなく、この世にはあまりにも役に立つどころか、生きるのを窮屈にする無益なルールが多過ぎます。

とくに、昨今の同調圧力だらけの社会を生きる私たちに、救いになります。

ル=グウィンはさらに筆をすすめます。

作家として、あなたは自由なのです。古今を通じて、あなたほど自由な人間はいないのですよ。
その自由は、孤独で、寂しさでかちとったものなのです。

ル=グウィン著「夜の言葉・「書くということ」」より

自分自身の人生を歩むのは自分しかいない。
自分の仕事ができるのは過去にも未来にもいないというのです。
ル=グウィンはあくまで物語の創作ということについて語っているのですが、
私には人生を歩んでいくための心構えの言葉だと受け取りました。

でも、勇気づけるだけじゃなく、
ちゃんと釘を刺すことも忘れてません。
自分自身の国作りはけして、成功することはない。
常に後悔と反省ばかりで、完全に満足するとういことはなく、常に試行錯誤が続くと言います。
剣と魔法の世界を描きながら、けしてパワーのマイナス面を描くのを忘れない辛口作家の面目躍如です。

ま、いっかけん
夜の言葉の「書くということ」という1章は何度繰り返しても染みます。この文章に出会ってから、何度も読み返しています。読む度に勇気をもらっています。是非みんなに全文を読んでいただきたいです。




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