逆境を生き抜く知恵はみんな「不良番長」が教えてくれた

ま、いっかけん
「不良番長」シリーズは梅宮辰夫さんの代表作ながら、レンタルにも置いてないしBSやCSでも放送されたことがありませんでした。
今回、アマゾンプライムの東映JUNKというサービスではじめてその全貌を知ることができました。

1作目を見た瞬間にすぐになぜ、放送されずレンタル店に置いてないか合点がいきました。つまり今だと完全にR18指定なのです。

「不良番長」は当時大人気だった任侠映画の併映作品でした。当時は2本立てが当たり前だったんですね。
主演の鶴田浩二さんや高倉健さん扮する任侠の渡世人は言わば、完璧なヒーローです。
実像はともかく、映画の中では弱気を助け強気を挫く清廉潔白な存在です。

ところが、「不良番長」はその鬱憤を晴らすかのように、小悪党で、やりたい放題に悪事を繰り返します。

番長たちの悪事はここでは書けないようなエゲツないビジネスです。

最初は大組織にコソコソ隠れてやっていた商売がだんだん、大組織にバレて仲間を殺されて、ついに怒りが爆発して大組織相手に大暴れ、仲間のほとんどを戦闘で死んで、必ず番長一人と後一人は生き残って次回に続きます。
何故か次の作品には死んだはずの仲間が何事も無かったように生き返っているのがお約束です。

任侠映画はタテマエの世界。不良番長はホンネの世界です。ホンネだからこと、いまだに根強いファンからの支持を得ているのかも知れません。

「不良番長」シリーズは実に16作製作され東映のシーリズものでは最長になりました。

そんな「不良番長」シリーズを見て私なりに学んだことをシェアします。不良番長を見て元気になって、また明日も生きよう!

番長の流儀1・長いものには巻かれる

シリーズ当初は大組織に刃物で脅されても顔色一つ変えずに度胸の座ったところを見せつける番長ですが、シリーズを重ねるごとに世渡りを覚えたのか、同じ状況になっても
「まあ、まあここは一つ多めに見てくださいよ。私達ドブネズミのすることに目くじらたてないでください」
と、脅しを軽くいなして、いきり立つ弟分たちを抑えるポジションに。
不良番長っていつも強い奴に立ち向かうイメージだったんですが、ガラッと印象が変わりました。
まるで植木等の無責任男のグレた弟といった印象で、口八丁手八丁でスイスイと世渡りしていくのです。
と、言っても最終的には弟分を殺され、怒りが爆発! 殴り込みに行くのが定石なんですけど……

番長の流儀2・どんな状況でもしぶとく生き残る

番長たちは通常新宿を根城にしているのですが、旧勢力に追われて、各地に転々と移動して彷徨ったりします。
(本当は地方ロケで地方のホテルや飲食店のタイアップでのロケのためなんでしょうけど……)
食いつなぐために、ストリップ小屋で自らストリッパーになったり(爆笑)、大阪の焼き鳥屋の食材提供で野良犬を追いかけたり……、
姉妹シリーズの帝王シリーズではちり紙交換になったりして、とにかく働いて生活しようとします。
けして、いい男を利用して女を働かして、自分は何もせず寝転んで金が転がり込んでくるという図式にはなりません。
必ず、自ら体を張って、時にかっこ悪い姿を晒しながらも、たくましく生きていきます。
そのなりふり構わない生き様を見ると、いどんなことがあっても明日も頑張ろうとファンは活力を貰えるのです。

番長の流儀3・戦う時は命がけ

閃いたアイデアを使って新規ビジネスを立ち上げるのか、そのビジネスがおいしいとわかると大組織が必ず横取りしに来ます。
最初のうちは、それじゃ仕方がないと言って、また目先の違ったビジネスを展開するのですが、基本的に番長はビジネスセンスがあるのか、すぐに目をつけられてオジャンに――

最終的には弟分か妹分が殺されて、ついに全員で殴り込みになるのですが、闘いの時は全く後先を考えません。
いざとなった退路を残さず徹底的に闘います。
その姿がまた痺れるんですよ。カッコいい! 辰兄!

番長の流儀4・柔軟に変化していく

当初はリアルに本当に愚連隊がやりそうな犯罪行為をしていたのですが、中盤あたりから、経営コンサルトになったり、ロックフェラー一族に化けたり、ポルノ映画を作ったり、なにやらやることが現実離れしてきます。
フィクションだからできることかも知れませんが、どんなことも「これをやったら面白いかも……」と好奇心をもって、失敗を恐れずに挑戦します。

それが後の料理がプロはだしになったり、カジキマグロ釣りに熱中したりと、後のいろんなものに挑戦する梅宮辰夫さんと重なる部分があります。

番長の流儀・番外3つの袋を大事にする

番長シリーズと併行して、「帝王シリーズ」も製作されました。番長の役名はずっと神坂弘でしたが、帝王シリーズは松○浩でした。
番長シリーズに愚連隊一味と大組織との戦闘がなくなったようなシリーズで、弟分は山城新伍さんの金○政雄、一人です。
九州出身の浩は炭鉱の仕事で肺病で亡くなった父のような人を救うために、病院を故郷に建てるために5億円を稼ぐ夢を持って状況します。
が弟分の政がこしらえた借金を肩代わりしたため、貯金も失い借金生活に、父親譲りの自慢のシンボルを使って体を張ってお金を稼ぐというのが全シリーズのお決まりです。
ビジネスが順調に生き始めると必ず大組織が妨害にやってくるのは「不良番長」シリーズと同じなんですが、このシリーズでは暴力を使わずにシンボルちゃんを使って、女性の心を動かして解決します。
「島耕作」シリーズや国友やすゆきさんの漫画の原点的な作品です。
そんな浩が尊敬する殿山泰司さん扮するお医者さんに言われた言葉「おふくろ、胃袋、き○袋を大事にしろ
浩じゃなくても、肝に命じなければならない言葉です。
ゴラク映画でも勉強になるのです。
やってることとタイトルはお下劣なのですが、主人公浩の理想が純粋なのと、常に人情で弱い女性に味方になるのが共感できます。タイトルとパット見で大いに損している作品なのです。

おまけ・名優山城新伍のアドリブ力

晩年は俳優としてよりも、司会者としての側面が語られがちだった山城新伍さん。
しかし不良番長をはじめ、一連の東映ポルノ路線では、いかんなくそのアドリブ演技が生かされています。
アドリブと言えば、「大都会PART2」や「探偵物語」の松田優作さんや「あぶない刑事」の柴田恭兵さんが印象に残りますが、その元祖的存在が山城新伍さんでした。
脇役で時間的にも制約がありながら、短い間にアドリブをぶっこみ、不良番長の世界をひろげました。
フィルムのおけるアドリブ演技というのが全て東映系列であるのが興味深いですね、アドリブ演技が東映で生まれるなにが要素があるのでしょうか?

不良番長浪漫アルバム /徳間書店/杉作J太郎posted with カエレバ

そんな不良番長シリーズをもっと詳しく知るための唯一無二の本がこれ。隅々に不良番長愛が溢れています。
この本を読まずして、不良番長を語るなかれ。

不良番長シリーズを見られるのはアマゾンプライムの東映JUNKだけ。
お試し視聴の14日間で全作見られちゃうかも。

不良番長 どぶ鼠作戦/DVD/DSTD-02662posted with カエレバ

ま、いっかけん
杉作J太郎さんの労作で、生前の松方弘樹さん、山城新伍さんのすごさが死後ようやく認められました。せめて梅宮辰夫さんだけは生きている間にその偉大さが世間に伝わるように願います




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