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いつもヒーローのキムタクが年相応の設定に
テレビでも映画でもいつも主演・完璧なヒーローを演じることが義務付けられたスター・キムタク。しかし私生活は娘さんがモデルデビューしたりして。もう立派な中年ですね。
いつもは私生活が全く見えないような役が多いのに、奥さんもそこそこ中年。昔の仲間たちも白髪頭や中年太りしておじさんばかりです。その中でもひときわ若いキムタク。若いんだから仕方がない。
そもそもの問題だけど、何この検事
まあ、全てのサスペンスを否定してしまうことになってしまうでしょうけど、なんでここで人を殺すかな。ここまでして人を殺す意味があるのかなあなんて思ってしまいます。
しかも法を守る検事の身にありながら、自らの正義のために平気で現実をねじ曲げる。最後まで共感・納得できませんでした。
ミステリーははじめに設定・発想ありきだったりするので、無理やり設定に人物を当てはめたりすると不自然なところもあります。けど、キムタクの演技の力技で納得させた感じがありますね。
多面的な原田眞人演出
原田監督と言えば「日本のいちばん長い日」「関ヶ原」など歴史的な事件に遭遇した様々な視点から描いていくのが真骨頂。画面の隅々まで、どんな小さな役の人にも人生があってその瞬間を生きているのを感じさせてくれます。
でも半面、情報量が多すぎて、ごちゃごちゃしている。
「結局、何が言いたいのか分からない」
観る方も頭を鋭敏にしていないと、スピードについていけない感じ。DVDが出たらまたもう一度見直したいです。
繰り返しの鑑賞に耐えるのが今どきの映像作品なのかな。
怪演 容疑者役の酒向芳さん
この映画でひときわ異彩を放つのが容疑者役だった酒向芳さん。キムタクやニノにも一歩も引けを取らない存在感。今後、どんどん活躍しそうですね。
原田監督と相談しながら、酒向さんの意見を取り入れながら、人物の趣味や演技が膨らんでいったそうです。
その他、どんな小さな場面役でもその人の人生を生きている感じが凄い。役者さんが原田組に参加したがるわけです。
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