
成金の会は売出し中の若手の落語家さんや講談師さんが集まった会です。
お金持ちになる意味ではなくて、文字通りいずれ出世して名人になる将棋のナリキンの意味ですね。
毎年、成金の会は岡山に来てたようなんですが、不入りだったそうです。私もなぜかその存在を知りませんでした。(ここ数年、店が大変で演芸に行くチャンスが少なかったんですが……)
ところが、この松之丞フィーバー、落語ブームで会場はぎゅうぎゅうでした。
過去の落語会では私ぐらいの年齢から上の人が聴く者だったのが、20代くらいの男女も多かったです。
伝統話芸の未来は明るいな。
松之丞の講談はわかりやすかった!
松之丞さんは今回特別に2本演目を披露してくださいました。
今まで講談があまり落語ほど世間に親しまれてないのはやはり、使われる言葉が古くてよくわからない。
いちいち言葉でつまづいて、物語に没入できませんでした。私も時々講談をNHKのテレビで聴いたことがありますが、言葉が古めかしくて分からない言葉がありました。
若い人だとなおさらちんぷんかんぷんでしょうね。
松之丞さんはその難しい文言をバッサリカットして、分かりやすくおもしろくアレンジ。一躍、講談界に新風を巻き起こしました。
今回は「鮫講釈」「万両婿」の2本で、あれ?落語で聴いたような……という演目。
岡山の落語ファンのために、おなじみの演目を演じてくれたようです。
おお講談いいじゃない! また聴きに行きたいと思いました。
それもそのはずこの2本は元々講談のネタだったものを、落語に移植されたものなのでした。
松之丞さんまだお若いし、今後どんどん講談を復興していくよう感じます。孤軍奮闘頑張れ!
天才、発見。瀧川鯉八師匠
ご三人は現在二つ目だそうです。
つまりまだ真打ちになっていない。師匠とは呼ばれない身分なんですが、来年には3人とも真打ち昇格が決まっています。おめでとう。真打ちになっても岡山に来てね。
鯉八さんは新作落語の専門。今回の演目は「にきび」
なんともシュールな独特の世界観ですが、その話術でひきこまれました。その独自の芸で女性ファンが急増中のようです。
女性じゃなくてもファンになりますよ。落語の可能性を広げる革命児かも……
抜群の安定感。柳亭小痴楽。
3人の中でも一番の年上の小痴楽さんはさすがの安定感で、口舌なめらか、テンポよく軽妙で、人物描写も確か。
でも、「うまいだろ」っていう感じは見せずに、軽やかに演じる芸はさすがです。
マスクもいいので、今後マスコミにも登場するのは必至です。要注目の噺家です。
