
みなさん、またお会いしましたね
はい今回から、週刊少年チャンピオンで1982年から1983年に連載されました「プライム・ローズ」を紹介しますね。
時代の流行への対抗意識で露出大
さ、まず表紙をご覧なさい。主人公プライムローズ・エミヤの衣装。きわどいな。
肌の露出すごいですね。
当時の漫画界はロリコンブームまたラブコメブームで「うる星やつら」のラムちゃんや、「エスパー魔美」など、ヒロインのサービスショットが多かったんですね。
まだセクシーなビデオやネットがなかった時代なんです。ちょっぴりのお色気も少年漫画のニーズにあったんですね。
ちょいちょい、エミヤのセクシーなシーンが見られるのもこの作品の見所のひとつですよ。
24時間テレビでアニメ化
1983年には24時間テレビのスペシャルアニメ「タイムスリップ10000年 プライム・ローズ」として放送されました。
当時手塚治虫先生がご存命のうちは24時間テレビは手塚治虫先生のアニメを放送されるのが定番だったんですね。私も楽しみでしたよ。
原作とはちょっと設定や趣きが変更されてます。その違いを比べてみるのも楽しみですよ。
アニメの方はご覧の通り、プライム・ローズがちょっと大人っぽいイメージですね。髪色も違います。ストーリーもタンバラ・ガイの視点で描かれてます。
1つの国に2つの違う民族
さて物語はどこの時代かもどこの国かもわからない設定で始まります。
主人公エミヤはククリット人の良家のお嬢様として大事に育てられてきました。
主人公エミヤはククリット人の良家のお嬢様として大事に育てられてきました。
この国にはグロマン人とククリット人という2つの人種があり、グロマン人がククリット人を支配しているという構図です。
ところがエミヤは両民族が束の間の平和の時に、協定により交換したグロマン人赤ん坊の一人だったのです。
エミヤのグロマン人フィアンセ・ピラールは逆にククリット人の血をひく身。
エミヤのグロマン人フィアンセ・ピラールは逆にククリット人の血をひく身。
グロマン人には瞬時に自分の身体を石のように固くする特殊能力があります。
道ばたであった老人にエミヤはそのグロマン人の秘密を聞かされ、その能力に目ざめていきます。
道ばたであった老人にエミヤはそのグロマン人の秘密を聞かされ、その能力に目ざめていきます。
エミヤにはタロと言うボーイフレンドがいます。
ピラールは嫉妬して、タロを「コロニー」という場所に強制労働者として送り込みます。
ピラールは嫉妬して、タロを「コロニー」という場所に強制労働者として送り込みます。
エミヤはタロを助けるためにコロニーに侵入します。
そこで出会ったのはコロニーの脱走者を監視するために雇われた剣の達人のなぞの男タンバラ・ガイ。
そこで出会ったのはコロニーの脱走者を監視するために雇われた剣の達人のなぞの男タンバラ・ガイ。
この「タンバラ・ガイ」というキャラクター。いまだにネットでも名前が出てくるくらい人気のカッコいいキャラですね。もう一人の主人公と言っていい位のポジションです。
コロニーで強制労働者たちは謎の石像を作らされています。
コロニーを脱走しようとしたタロは殺され、エミヤを助けたタンバラ・ガイが今度は強制労働に送り込まれます。
タンバラ・ガイは剣の腕を生かして追っ手をかいくぐり、謎の石像が作られる秘密を探ろうとします。
一方、エミヤはグロマン人がコンピュータでククリット人の言論を統制し、ククリット人の自由を奪っている事実を知り、コンピュータ付き印刷機を破壊しようとします。
流行に合わせながらも実はぶれていない軸。さすが手塚治虫!
一見、少女漫画に見えて、深い深いSFロマンなんですね。当時SFはうけが悪くて、ヒロイックファンタジーの形を借りて、本当に伝えたいことを表現したようです。
その中に平和を強く望む手塚漫画のメッセージがそこはかとなく流れてますよ。
エミヤのムフフなシーンを見たい方は本編をしっかりご覧なさい。

それでは またお会いしましょう さよなら さよなら さよなら